より詳しくは:
A. 患者と治療者だけでなく、患者の家族や友人、主治医などをメンバーとしたチームを結成します。チーム内に上下関係はなく、チームメイトどうしで助け合う関係を目指します。
B. 病気がなぜ生じたのか、当面その原因探しは後回しにして、どうして問題が続いてしまうのか、困りごとから抜け出せないのかを明らかにします。そして、問題から抜け出すための地図を描き、「こうなりたい」「こう変わりたい」という目標にたどりつくための道筋を明らかにします。これは専門的に「ケースフォーミュレーション」と呼ばれています。
C. 認知行動療法では「性格をがらっと変えてしまう」とか「歪んだ思考を正す」ことを目指すわけではありません。その人が持つ資質を生かしながら、新しい物の見方を探したり、今までとは違う行動を試すことで、その人の人間観や世界観を柔軟にしていきます。これらは全て、困りごとから抜け出し、「こうなりたい」という目標に近づくことを目的に行なわれます。
D. 治療は面接室だけではなく、その人の生活となる場でも継続していきます。このため、面接室で学んだことを、自宅や外出先で実践するためのホームワークを設定します。
E. 設定された時間数を終えて、治療者がチームから離れることになっても、患者やその他の人は認知行動療法を続けていきます。患者が自分の問題をメンテナンスできるようになり、さらなる目標に向かって歩いていけるようになることが期待されます。